危険な外来種「ヒアリ」は、地球温暖化の影響で増え続けている | 您所在的位置:网站首页 › ヒアリパンフ20190314 › 危険な外来種「ヒアリ」は、地球温暖化の影響で増え続けている |
ヒアリは南米中央部の氾濫原で進化してきたが、人間が使う木製の輸送用パレットとともに世界各地に運ばれてきた。1930年代か40年代初期のある時期に米国アラバマ州に上陸したあと、ヒアリは新しい強力な能力を身に付けた。 米国で生息域が拡大するまで、ヒアリは1匹の女王アリによるコロニーを形成するとされていた。近くに別のアリ塚が現れると、競合となるこれらのアリたちを攻撃していた。そのため、それぞれのコロニーはかなり離れた場所に散らばり、1エーカー(約4,047平方メートル)あたりのアリ塚の数は40個ほどだった。ところが、73年ごろになって「何か」が変わった。 米国農務省の科学者によるチームが、ミシシッピ州ガルフポートの近くで、異常な数のヒアリのアリ塚が接近しているのを発見したのだ。しかも、通常は1匹しかいない産卵能力のある女王アリが、ここでははるかに多く存在した。 科学者たちはそのうち、こうした発見の重大性を認識するようになった。つまりヒアリは、ほかのアリとは基本的に異なるということだ。アリのなかには、ひとつのコロニーに複数の女王アリがいる種と、1匹しかいない種がある。ところが、ヒアリのように両方の生殖戦略をとるものはいない。 泳ぐヒアリの大群が人間を襲う複数の女王アリがいるヒアリのコロニーは、密度も高い。通常は1エーカーあたり40個というアリ塚が、400~500個も存在するのだ。そのぶんだけ周囲にいる種の犠牲も多くなる。さらにヒアリは、殺虫剤による駆除が非常に難しい。通常は1匹の女王アリで済むところが、複数の女王アリを殺さなければならないからだ。 おそらくヒアリの行動で最も有名なのは、水に浮く「いかだ」のような塊をつくるという恐ろしい習性だろう。こうした習性があるので、ハリケーンのなかでも移動できる。 関連記事 :アリの群れが水上で「いかだ」になれる理由 17年8月にテキサス州を襲った大型ハリケーン「ハーヴィー」の際にも、ヒアリは働きアリの手足にある吸着盤を使ってつながり合い、いくつものいかだを形成して生き延びた。 洪水の被害を受けた人が運悪くこの移動式コロニーに出くわすと、ヒアリの攻撃を受け、場合によっては死に至るような危険な状況になった。Twitterには、「オースティンの近くで洪水が起きたとき、ゴルフボールくらいの大きさの集団がぼくの足に這い上がってきた」というコメントが、動画とともに投稿されている。 X contentThis content can also be viewed on the site it originates from. 米国では毎年1,400万人近くがヒアリに刺され、入院するケースもある。約半数の人がヒアリに刺されたあとに何らかのアレルギー反応を示し、1パーセント前後の人には重篤な全身症状が出る危険がある。 ヒアリの増加が世界にもたらす損失は、医療費だけにとどまらない。人間のほか、家屋や電線、電話線、農業などの損害は少なくとも年間67億ドル(7,350億円)にも達する。この数字は、推定が容易な損害だけを捉えたものだ。 新たな生息地の征服は続く鳥のヒナや爬虫類も、ヒアリの餌食になりやすい。ウズラやワニ、トカゲ、カメなどだ。なかでも絶滅の恐れがあるアナホリゴファーガメは、360種を超えるほかの動物のすみかとなる穴を掘ることで知られているキーストーン種(生物量は少ないが生態系に大きな影響を与える生物種)だ。これらの動物の卵の中で幼体が穴を開けて孵化を始めると、ヒアリたちは殻の中になだれ込む。 |
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